露出を決める三つの設定には、それぞれ別の役割があります。絞りはピントが合って見える範囲、シャッター速度は動きの写り方、ISO感度は必要な明るさを得る代わりに生じるノイズや階調の変化に関わります。一つだけを正解に固定することはできません。
最初に、失いたくないものを決める
人物の目と商品を同時にはっきり見せたいのか、走る動きを止めたいのか、暗い場所の雰囲気を残したいのかを決めます。写真の用途によって、優先する設定は変わります。
数値から考え始めると、目的が後回しになります。完成画像で絶対に守りたい条件を一つ選び、そのための設定から決めます。
絞りは、ピントが合って見える範囲で決める
絞りを開くと背景をぼかしやすくなりますが、被写体の一部までぼけることがあります。絞ると広い範囲をはっきり見せやすくなる一方、同じ明るさを保つには、シャッター速度またはISO感度の調整が必要です。
小さな画面だけで判断せず、重要な部分を拡大して確認します。複数の人物や奥行きのある商品では、必要な範囲が本当に収まっているかを見ます。
シャッター速度は、残したい動きで決める
手、髪、布、水、乗り物などは、撮影者が静止していても動きます。止めて見せるなら速くし、流れを残すなら意図した量だけ遅くします。
手ぶれを防げる速度と、被写体ぶれを防げる速度は同じではありません。三脚でカメラを固定しても、動いている被写体は止まりません。
明るさを合わせる前に、写真に何を残すかを決めます。
ISO感度は、必要な分だけ上げる
絞りとシャッター速度を目的に合わせた結果、明るさが足りない場合にISO感度を調整します。数値を上げると撮影しやすくなりますが、ノイズ、色、暗い部分の滑らかさに影響することがあります。
低いISO感度を守るために、動きをぶらしたり必要なピント範囲を失ったりしては本末転倒です。使用するカメラで、どの程度まで仕上げに使えるかを事前に試します。
本番と同じ大きさ・動きで確認する
同じ場面を設定違いで数枚撮り、重要な部分を拡大します。動画なら通常の速さで再生し、必要なら完成時の速度でも確認します。
撮影条件、設定、意図、確認結果を残せば、次回は数値を丸暗記せず、似た条件から判断できます。
設定を決める順番
- 完成画像で守る条件を決める
- 必要なピント範囲から絞りを選ぶ
- 残したい動きからシャッター速度を選ぶ
- 不足する明るさをISO感度で補う
- 完成時の大きさで画質を確認する
