レンズの焦点距離は画角を変えます。しかし、写真の遠近感を大きく変えるのは、被写体とカメラの位置関係です。狭い部屋、通行のある場所、人物との会話が必要な撮影では、希望する位置へ移動できるとは限りません。
被写体へ近づける距離と、離れられる距離を測る
壁、家具、道路、立入範囲、安全な動線を確認し、カメラを置ける場所を決めます。人物撮影では、指示が届く距離や、相手が安心できる距離も必要です。
レンズを選んでから無理に場所を作るのではなく、使える距離の中で必要な構図を作れる焦点距離を選びます。
同じ大きさに写して、背景と遠近感を比べる
広い画角のレンズで近づくと、手前と奥の大きさの差が目立ちやすく、背景も広く入ります。狭い画角のレンズで離れると、写る背景の範囲が狭くなり、前後の差が穏やかに見えます。
レンズ名だけで印象を決めず、被写体が同じ大きさになるよう撮影位置を変えて比較します。
背景を整理できる範囲も考える
広い画角では、床、天井、照明、看板、通行人などが入りやすくなります。望遠側では背景を狭くできますが、十分な撮影距離が必要です。
背景を隠すためだけに強いぼかしへ頼らず、権利や安全に問題のない構図を先に作ります。
焦点距離は数字からではなく、カメラを置く場所から決めます。
ピント・手ぶれ・光の条件まで含める
長い焦点距離では小さな揺れが目立ちやすく、手ぶれを抑える速度や安定した支えが必要になることがあります。開放絞りではピントが合って見える範囲も狭くなります。
必要な明るさ、動き、ピント範囲を含め、レンズを付けた状態で本番に近いテストを行います。
一本で、必要な役割をどこまで撮れるか確認する
広い状況説明、中心となる動作、手元の詳細、縦位置、余白のある構図を試します。レンズ交換の回数ではなく、完成させられる役割で判断します。
複数のレンズが必要なら、交換する場面と順番を決めます。交換時間、ほこり、持ち運び、撮り逃しも制作費の一部です。
レンズ選びの順番
- カメラを置ける範囲を確認する
- 必要な被写体の大きさを決める
- 背景と遠近感を比較する
- 光、動き、ピント、手ぶれを試す
- 必要な構図を一本で撮れるか確認する
