ストックフォトでは、今日使ったお金と、何か月も先に入るかもしれない報酬を比べることになります。その一方で、準備や編集に使った時間は見落とされがちです。撮影に本当はいくらかかったのかを知るには、シャッターを切る前から、販売できる状態になるまでにかかった費用と時間を数えます。

01

支払ったお金と、使った時間を分ける

まず、撮影のために実際に支払った金額を記録します。交通費、駐車場代、場所代、小道具、撮影中に必要だった食事、モデルへの謝礼、許可申請、外注費などです。

次に、自分が使った時間を記録します。企画、連絡、移動、準備、撮影、同意書の管理、写真選び、編集、検索用情報の入力、提出、修正、バックアップ、事務作業まで含みます。お金を支払っていなくても、使った時間は戻りません。その時間を別の仕事に使えた可能性もあります。

02

モデル代が無料でも、同意確認は必要

友人や家族が無償で撮影に参加してくれても、写真の使い方を説明し、本人の同意を記録する作業はなくなりません。本人確認、同意書と写真の対応付け、記録の保存、あとから質問が来た場合の対応も必要です。

撮影前に、写真がストックフォトとして販売され、広告などに使われる可能性があることを説明します。提出先の最新条件に合った同意書を使い、署名された書類と該当する写真を正しく結び付けて保管します。

請求書が0円でも、使った時間まで0になるわけではありません。
03

撮影枚数ではなく、販売できる素材を数える

長時間撮影してメモリーカードがいっぱいになると、たくさん制作したように感じます。しかし、費用を考えるときに重要なのは、ピントや画質を確認し、検索用情報と権利の記録をそろえ、提出できる状態まで仕上げた素材の数です。

撮影済み、選別済み、編集済み、提出済み、採用、不採用、利用実績ありを分けて記録します。撮影枚数で割った費用は安く見えます。採用され、今後も管理できる状態にある素材の数で費用を割るほうが、次の撮影を考える材料になります。

同意書、検索用情報、修正、提出のどれかを待っているファイルは、まだ完成した販売素材ではありません。
04

費用を回収できたかは、一つの数字だけで判断しない

将来何回利用されるかは分からないため、「あと何回売れれば元が取れる」と一つの数字で断定しません。一回の利用で受け取れる金額を何通りか想定し、撮影にかかった費用を回収するまでの回数を計算します。過去に撮影した似た素材の実績も参考になります。

支払った金額だけなら早く回収できても、多くの作業時間を使っている場合があります。実際の支出だけで考えた場合と、作業時間まで費用に含めた場合を、両方確認します。

05

費用の記録を、次の撮影に生かす

費用を記録する目的は、試しに撮ることをやめるためではありません。どんな撮影なら繰り返す価値があるのかを判断するためです。移動に時間がかかっても、用途の違う素材を数多く作れる場所なら、行く価値があるかもしれません。準備が複雑なのに似た写真ばかり増える撮影は、見直す必要があります。

特に費用や時間がかかった工程と、撮影から採用までのどこで作業が止まりやすいかを確認します。次の撮影では条件を一つだけ変え、その結果をもう一度記録します。

撮影ごとに残す5項目

  1. 撮影のために実際に支払った金額
  2. 企画、移動、撮影、編集に使った時間
  3. 同意書、検索用情報、提出に使った時間
  4. 完成した素材数と、採用された素材数
  5. 支出だけの場合と、作業時間を含めた場合の回収目安