カメラで選べる最高解像度が、仕事に最適な設定とは限りません。8Kを選ぶ前に、8Kで提出する、4Kの画面を切り出す、手ぶれ補正の余白を作る、一つの映像から複数の構図を作るなど、増えた画素の使い道を決めます。

01

8Kは4Kの4倍の画素数

一般的な4K UHDは3,840 × 2,160で、1枚あたり約830万画素です。8K UHDは7,680 × 4,320で、約3,320万画素です。縦と横がそれぞれ2倍になるため、全体の画素数は4倍になります。

ただし、ファイル容量が必ず4倍になるわけではありません。圧縮形式、ビットレート、fps、色の記録方法、撮影時間によって、実際の容量は変わります。

02

増えた画素の使い道を決める

8Kで撮影すると、4Kで書き出すときに、画面の一部を切り抜いたり、構図を調整したり、手ぶれ補正のために周囲を削ったりできます。8K映像の縦横を半分に切り出しても、4K相当の画素数を保てます。

固定カメラで撮った1本の映像から複数の構図を作りたいときや、購入者が8Kを必要としているときには、この余裕が役立ちます。完成映像で使わないのであれば、増えた画素は容量と作業時間を増やすだけです。

03

解像度を上げると、撮影後の負担も増える

8Kでは、より速く容量の大きいカード、長いコピー時間、広い作業用ストレージ、高い編集性能、編集を軽くするための一時ファイル、大容量のバックアップ先、長い書き出し時間と投稿時間が必要になる場合があります。発熱や電池の消耗にも注意が必要です。

保存容量が必要なのは、撮影データだけではありません。元データと確認済みのバックアップを2か所に保存すると、撮影データが1TBなら、それだけで最低3TBを使います。編集用の一時ファイルや提出用データは、さらに別です。

04

4Kへの変換にも時間と費用がかかる

8Kを受け付ける投稿先に合わせて撮影し、別の投稿先向けには4Kへ変換していた時期があります。HDDを5台、SSDを3台使っても保存容量に余裕がなく、確認できた売上も、8Kを標準設定として続けるほどではありませんでした。

これは「8Kは売れない」という証拠ではありません。投稿先での受付、変換、保存、実際の売上を一緒に測る必要がある、という実例です。一つの投稿先が対応している形式でも、制作全体にとって最適とは限りません。

05

仕様表ではなく、完成映像で比べる

実際に撮りたい場面を、予定している4Kと8Kの設定で短く撮影します。投稿できる状態まで両方を仕上げ、ピント、ノイズ、動き、画面のゆがみ、発熱による制限、切り抜きの効果、編集時間、書き出し時間、容量、投稿時間を比べます。

8Kだから得られた効果があれば、その理由を記録します。目的に対する完成結果がほぼ同じなら、無理なく繰り返せる設定を選びます。

06

8Kは必要な撮影だけで使う

8Kを使う条件をあらかじめ決めます。投稿先が8Kを必要としている、4Kで大きく切り抜く予定がある、手ぶれ補正の余白が必要、将来8Kで使う目的が明確な映像を残す、といった場合です。それ以外では、無理なく扱える4Kで撮影からバックアップ、提出まで進めるほうが、完成する素材を増やせる場合があります。

撮影や書き出しの前には、投稿先の最新の提出条件を確認します。8Kに対応していても、カメラで記録した形式をそのまま提出できるとは限りません。

増えた画素の使い道を説明できて、初めて8Kに仕事上の価値が生まれます。

8Kを選ぶ前に

  1. 購入者や制作上の必要性を一つ決める
  2. 元データとすべてのコピーに必要な容量を計算する
  3. 同じ場面を4Kと8Kで撮り、完成結果を比べる
  4. 編集、書き出し、バックアップ、投稿時間を測る
  5. 完成映像に明確な利点がある場合だけ8Kを使う