画面いっぱいに被写体を入れると、写真だけを見たときには強い印象になります。しかし、ストックフォトの購入者には、見出しを置く場所や、正方形・縦長・横長に切り取るための余裕が必要です。
余白は、購入者が使う場所
文字を置くための余白は、何も写っていない無駄な部分ではありません。見出し、ロゴ、ボタンなどを追加するための場所です。ただ空けるのではなく、光、色、被写体の向きとつながった、意図のある余白にします。
模様の少ない壁、広い空、穏やかな水面、柔らかい影、物の少ない机、ぼけた背景などが使えます。少しの質感は問題ありませんが、細かな物や強い模様が多い場所は文字を読みにくくします。
視線や動きの先を空ける
人物や動物が見ている方向、乗り物が進む方向に余白があると、自然な構図になります。可能であれば、被写体を反対側に置いた写真も撮ります。被写体を左右に置いた構図に加え、横位置と縦位置も用意すると、一度の撮影で複数の用途に対応できます。
写真として整えながら、購入者が選べる余地も残します。
狙った構図より、少し広い写真も撮る
カメラの画面では、被写体へ寄った写真のほうが強く見えることがあります。しかし、被写体を画面いっぱいに入れると、外へ切れた手足や影、建物、周囲の状況は、あとから復元できません。
まず狙った構図を撮り、そのあとに少し広い写真を一枚残します。正方形、縦長、横長、細長いバナーなどへ切り取りやすくなります。ただし、広く撮りすぎて主役が分からなくならないようにします。
トリミングできる範囲は、元画像の品質で決まる
写真の一部を切り取ると、使える画素数が減り、ピントのずれやノイズも目立ちやすくなります。重要な部分のピント、手ぶれ、白とび、暗部のノイズ、レンズの反射、色のにじみ、圧縮による劣化を、縮小表示だけでなく拡大して確認します。
画素数の多いカメラは切り取れる範囲を広げますが、ピントのずれや光の悪さを直してくれるわけではありません。安定して品質を保てる機材と撮り方を優先します。
完成画像だけでなく、再編集できる元データも残す
明るさや色を大きく調整する可能性がある場面では、RAW形式が役立ちます。条件が安定していれば、適切に撮影したJPEGでも十分な場合があります。大切なのは、調整の余地が最も大きい元データを残し、提出先の最新条件に合う形式で書き出すことです。
JPEGを何度も保存し直すと、少しずつ画質が落ちる場合があります。提出前には、元データだけでなく、実際に提出するファイルをもう一度確認します。
一つの場面で撮る5枚
- 最初に考えた基本の構図
- 少し広く撮った予備の構図
- 左側に文字を置ける構図
- 右側に文字を置ける構図
- 縦位置の構図
