撮影枚数が多くても、ほとんど同じ写真ばかりでは、販売できる選択肢は増えません。ストックフォトのバリエーションは、撮影者にとって違って見えるかではなく、購入者が別の用途を選べるかで考えます。
違いが、購入者の判断を変えるか確認する
カップを数センチ動かしただけの写真は、撮影者には別カットでも、購入者には同じ選択肢に見えることがあります。一方、左側に文字を置ける写真、縦長の広告に使える写真、取っ手や質感を見せる接写には、それぞれ別の役割があります。
二枚を比べたときに、「どちらを、どんな用途で選ぶのか」を説明できなければ、違いが小さすぎる可能性があります。
一度に変える目的を決める
向き、距離、余白、背景、光、動作、小道具を一度にすべて変えると、何が役立ったのか分からなくなります。基本の構図を一枚決め、次の写真では購入者にとって意味のある条件を一つ変えます。
たとえば、被写体を左から右へ動かすなら、空いた側に文字を置けるようにします。カメラを近づけるなら、素材や操作部分など、引いた構図では見えない情報を写します。
枚数を増やすのではなく、選べる用途を増やします。
撮影前に、必要な役割を書き出す
基本の横位置、左右に余白がある横位置、縦位置、周囲の状況が分かる広い構図、重要な部分の接写、動作の前後など、必要な役割を撮影前に決めます。すべての場面で同じ一覧を使う必要はありません。
重要なのは、シャッターを切る順番ではなく、完成後に異なる使い道が残ることです。危険な場所へ移動したり、権利上の問題がある物を加えたりしてまで、種類を増やしてはいけません。
一覧表示で、似すぎた写真を見つける
編集するときは、一枚ずつ拡大する前に、同じ撮影の写真を一覧で並べます。小さく表示して区別できない写真は、用途も重なっている可能性があります。ピントや表情が少し違うだけなら、最も完成度の高い写真を残します。
横位置、縦位置、余白、距離、動作の段階ごとに代表となる写真を選びます。似た写真を減らすと、編集、検索用情報の入力、権利確認、投稿、あとから探す作業も軽くなります。
切り抜きだけで、別の素材を作ったことにしない
広く撮った写真から縦位置や接写を切り出せる場合があります。ただし、切り抜くほど使える画素数は減り、ピントやノイズの問題も目立ちます。撮影時に必要な向きと距離で撮れるなら、そのほうが確実です。
色だけを変えた写真や、左右を反転した写真も、必ず別の用途を生むとは限りません。提出先の最新条件を確認し、購入者にとって意味のある違いだけを残します。
次の撮影へ残すのは、採用された枚数だけではない
撮影した枚数、選別後の枚数、提出した枚数、採用された枚数を分けて記録します。さらに、どの役割の写真を残したか、どの構図が重複したか、撮り忘れた用途があったかも記録します。
採用数が多くても、同じ用途の写真ばかりなら、次の撮影計画には弱い情報しか残りません。異なる役割の写真がどれだけ完成したかを確認し、次回の撮影一覧を更新します。
一つの被写体で確認する6つの役割
- 用途の基準になる基本の構図
- 左側に文字を置ける構図
- 右側に文字を置ける構図
- 縦長で使える構図
- 周囲の状況が分かる広い構図
- 重要な部分が分かる接写または動作の違い
