仕様表を見れば、4K・60fpsで撮影できることは分かります。ただし、その設定で安定して撮影できるか、操作しやすいか、求める映像になるか、最後まで問題なく編集できるかは、実際に試さなければ分かりません。
本番で使う設定で試す
動画の設定は、それぞれが独立しているわけではありません。4K・60fpsを選ぶと、画角が狭くなる、圧縮形式やビット深度が変わる、オートフォーカスや手ぶれ補正の機能が制限される、といった違いが生じる場合があります。使える設定の組み合わせは、カメラやファームウェアによって異なります。
解像度、fps、圧縮形式、ビット深度、画質設定、レンズ、手ぶれ補正、音声、記憶媒体、電源をすべて書き出し、本番と同じ組み合わせで確認します。別の設定で問題がなくても、本番の設定で同じように動くとは限りません。
ピントが外れた後の戻り方も確認する
被写体がカメラへ近づく、遠ざかる、画面を横切る、後ろを向く、画面の外へ出て戻る、という動きを撮影します。本番に近い明るさと背景で繰り返し、ピントが急に飛ばないか、細かく前後に揺れないか、背景に移ったままにならないか、外れた後に自然に戻るかを確認します。
手動でピントを合わせる場合は、拡大表示、ピーキング、モニター表示の遅延、レンズの動き、録画中の操作方法を試します。「一度ピントが合うか」だけでなく、「外れたときにどのように戻るか」が予測できることが重要です。
本番に近い時間まで連続して撮る
本番で予定している設定のまま、1カットまたは1回の収録に近い時間まで、連続して録画します。室温や屋外の気温、液晶画面の向き、記憶媒体、バッテリーまたは外部電源、外部出力も、本番に近い状態にそろえます。
温度の警告、録画の停止、設定の自動変更、バッテリーの減り方、カードへ記録できる時間、停止後に再開できるまでの時間を記録します。発熱や連続撮影時間は、機種、設定、ファームウェア、周囲の温度で変わるため、試した条件も一緒に残します。
カメラを動かし、直線のゆがみも確認する
本番で必要な速さでカメラを横へ振り、歩く人物を追い、撮影者自身も動いて撮ります。建物や柱などの直線を画面に入れ、カメラを動かしたときに線が斜めに曲がらないか、画面の端が不自然に揺れないか、手ぶれ補正が画面を急に引っ張らないかを確認します。
実際に使うレンズと手ぶれ補正の組み合わせで試します。カメラ内、レンズ内、電子式の手ぶれ補正は、画角や焦点距離によって結果が変わります。手ぶれ補正は、どのような動きでも自然に見せる機能ではありません。
必要な機器をすべて接続する
仕事に必要なマイク入力、ヘッドホン、HDMI、USB給電、タイムコード、二つ目のカード、外部レコーダーなどを確認します。外部モニターへ余計な表示を出さずに映像だけを送れるか、外部機器を接続したときに本体の記録設定が変わらないかも試します。
端子が付いているだけでは不十分です。ケーブルの向き、端子カバーとの干渉、ケーブルに無理な力がかからない固定方法、撮影中に音声と明るさを確認できるかまで含めて、使いやすさと安全性を判断します。
編集して書き出すまでが動作確認
予定している方法で動画をパソコンへコピーし、実際に使う編集ソフトで開きます。必要な色調整を行い、元の解像度で再生し、納品または投稿に使う形式で書き出します。再生の滑らかさ、編集用の軽い代理ファイル(プロキシ)の必要性、保存容量、色の見え方、音声のずれ、書き出し時間を確認します。
同じ場面を、より負担の少ない設定でも撮影して比べます。高いフレームレートやビット深度、ビットレートを完成映像で生かせないなら、重い設定を選んでも保存と編集の負担が増えるだけです。
動画性能は、仕様表の数字ではなく、撮影から書き出しまで通して確認します。
購入前・本番前の確認項目
- 本番と同じ設定、レンズ、記憶媒体、電源で撮影する
- 被写体を動かし、ピントが外れた後の戻り方を見る
- 必要な時間まで録画し、発熱と残り容量を確認する
- カメラを動かし、映像のゆがみと手ぶれ補正を確認する
- 必要な音声、モニター、電源機器をすべて接続する
- パソコンへコピーし、編集、書き出し、再生まで行う
